株主のお金を内部留保する会社の期待と責任は大きい
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ROEという指標

株式会社(以下、会社)という仕組みを理解している人であれば、会社が稼いだお金は誰のものになるかという問いに対して株主に帰属すると回答することができるでしょう。

 

間違っても会社が稼いだお金は経営者のものではありません。

 

それは会社は社長などの経営者の所有物ではなく、資本を提供してくれた株主の所有物であり、そのお金を使って経営者が会社を経営することを委託され、経営者が株主のお金を稼いでいるだけに過ぎないからです。

 

株主のお金とは具体的に、最終的な利益である純利益のことを指します。

 

そして株主は資本を提供しているのですから、会社がどの程度の純利益を稼ぐことができたのかを客観的に知りたいと思うはずです。

 

その指標の1つとしてROEがあります。

 

ROEとは純資産に占める純利益の割合です。

 

ROE % = (純利益 ÷ 純資産) x 100

 

純資産とはざっくり言えば、株主が提供した資本金と会社がこれまで稼いだ純利益の積み上げである利益剰余金の合計です。

 

資本金を使って稼いだお金ですから、利益剰余金も株主のお金になります。

 

つまりROEとは、株主のお金を使って最終的どのくらいの割合で純利益を稼ぐことができたかを示す指標であると言えます。

 

そしてこの数字が高くなり続ければ、経営者は株主から評価されることを意味します。

 

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株主のお金を内部留保するということ

会社は株主のために稼いだ純利益は、株主に対して配当金という形で処分するか利益剰余金として内部留保という形で会社内に貯め込むことを選択することができます。

 

内部留保は株主のお金ですので、ただ会社内にお金を貯め込んでおくだけということは絶対に許されません。

 

さらに株主の利益のために、内部留保を設備その他への再投資してROEを高めることが当然のように求められます。

 

たとえば、純資産200億円の会社が今年純利益20億円を稼いだとします。このときROEは10%です。

 

ROE % = (純利益 ÷ 純資産) x 100
10% = (20億円 ÷ 200億円) x 100

 

もしこの純利益を全額内部留保した場合、純資産は資本金200億円と内部留保した利益剰余金20億円の合計である220億円となります。

 

1年後の決算で株主のお金であるこの純資産220億円で1年後も20億円稼いだとしたら、ROEは9.1%となってしまいます。

 

ROE % = (純利益 ÷ 純資産) x 100
9.1% = (20億円 ÷ 220億円) x 100

 

同様に2年後、3年後も内部留保は積み上がっていくのに、純利益がずっと20億円のままだと、ROEはどんどん低下していくことが分かります。

 

 

こういう結果ですと、経営者の経営能力は株主からは評価されないということになってしまいます。

 

純利益を全額内部留保してROE10%を維持し続けるには、以下ように毎年純利益を増やし続けないといけません。

 

 

これでもROE10%維持ですので、経営陣が株主から評価されるためには毎年ROEも高めることが求められるのです。

 

つまり毎年内部留保を積み重ねるということは、会社は株主に対して毎年純利益を増やさなければならないという期待と責任を背負っているということができます。

 

もし純利益を増やし続けることが難しいのであれば、純利益を処分して株主に配当金として支払うのが正しい姿であると言えます。

 

このようなあるべき姿を理解して、経営している会社はいったいどの程度あるのでしょうか?

 

もし理解していても毎年ROEを維持または高めることができる会社は本当に限りなく少ないように思います。

 

 

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