経営者と従業員が考えているお金のこと
平社員サラリーマン兼個人投資家として仕事をしていると、経営者と従業員が考えているお金に対する思考の格差が大きいと実感することがあります。
経営者はいかに少ない資金・資源・人員・時間で効率的にお金を稼げるかということをいつも考えています。
つまり働いた分だけお金が稼げるという思考ではなく、上手な経営をすれば同じ資金・資源・人員・時間をかけたとしてもお金は何倍にも何十倍にも増える可能性があることを明確に理解しています(万が一そういう思考回路が無ければ、経営者としては失格でしょう)。
そして経営者はそのような思考回路で、株主のお金を増やすために一生懸命働いているのです。
それに対して従業員のお金に対する思考は経営者とは大きくかけ離れています。
経営層に近いポジションにいるような管理職は経営者と同じような視点を持ち合わせているでしょうが、それ以外の従業員は投じた資金・資源・人員・時間に比例する形でお金を稼ぐことができると思っています。
なぜなら従業員の給与は、基本的に労働時間に応じて支払われるからです。
どんなに会社の利益増大に寄与する働きをしたとしても、実際にそのお金が自分のポケットに入ってくるわけではなく、多少査定が上がるか賞与が増える程度ですので、「労働時間 = お金」という思考しか持つことができない人が多いのです。
そして稼いだお金は自分の生活のために使うものであり、間違っても株主にお金を増やすために自分が働いているという思考で一生懸命働いている人は少ないでしょう。
このように経営者と従業員はお金に対する思考に差があるのです。
経営者の思いは従業員には伝わらない
このように経営者と従業員のお金に対する思考は格差が大きいですが、それにも関わらず経営者が一方的に売上を伸ばせとか、経営が厳しいから経費を削減しろとか言われても、従業員の心には響いてこないのです。
売上だの経費だのいつものように同じことばかり言っているなくらいにしか思わないでしょう。
経営者の話を聞いても3日もすれば、従業員は忘れてしまうでしょう。
ちなみに弊社では定期的に経営者が従業員を集めて会社の経営状況と経営者のありがたいお言葉を聞く機会があるのですが、とある経営者に従順な部長が「〇〇役員様が1年前に従業員の前で言ったありがたい言葉を覚えているか?」と私を名指しで指名してきて皆の前で恥をかかせようとする罰ゲームがありました。
その部長が私のことをあまり良く思っていない人なので、ただの意地悪で指名してきたなコイツ、と思いました。
勿論、一言一句間違えずに正解を回答してやりましたけどね!
少し話が脱線したので戻しますが、従業員も経営者のような思考を持たないとダメだとかそういうことではありません。
将来は会社を引っ張っていくようなポジションに憧れるわけでもなく自分の生活費が稼げれば良いと思っている人は、別に経営者的な思考を持つ必要もないでしょう。
しかし経営者のようなポストで仕事をしたいなら、その思考を一生懸命勉強する必要があるでしょう。
経営者と投資家のお金に対する思考は似ている
投資家として生きていく場合も、経営者と同じかそれ以上のお金の増える仕組みを理解している必要があります。
そういう思考を持ち合わせていないのに、ただお金が欲しいから株式投資で一発当ててやろうと企んでいる素人投資家は、失敗することが目に見えています。
なぜなら一発当ててやろうと思っている人達は雑誌で紹介されている銘柄や、有名なアナリストが推奨している銘柄だからという浅薄な理由で投資をしてしまうからです。
そういう投資をしているようでは、既に市場がその価値に気づく前から仕込んでいる本物の投資家達に「時間差」で負けてしまうからです。
つまり雑誌やアナリストが騒ぎ始めると素人が群がり始めて株価は急騰しますが、先に仕込んでい有る本物の投資家達はその頃に利益確定を開始していきます。
そして素人投資家の資金が本物投資家の利益になり、素人投資家は損出を出すのです。
投資家も経営者もお金を稼ぐためには、「時間差」が利益の源泉になるということをよく理解しているのです。
そう考えると投資家や経営者は従業員と比較すると、実に深く思考しリスクを負い決断するということに重きを置いていることが分かります。
従業員が浅薄な思考という意味ではありませんが、やはり投資家や経営者になるにはそれなりの能力が求められるという結論に達しました。
そしてお金の思考格差は人生の豊かさにも影響を与えてしまうのです。
人生を豊かに生きたい人はお金の勉強が必要です。
投資で自由を獲得しよう!