将来は週3日、3時間働くだけで良いのか
ちょっと昔になりますが、将来の労働時間に関する記事が日本経済新聞に掲載されていました。
中国ネット通販最大手、アリババ集団の創業者の馬雲(ジャック・マー)氏と、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が6日、東京大学が主催したイベントで対談した。
(中略)
今年9月にアリババの会長を退任後、馬氏が日本で講演するのは初めてで、孫氏と公の場で対談するのも久しぶり。AIの可能性や両氏の長年の盟友関係などについて語った。孫氏はAIについて「(自身の動物的な勘から)AIが人の生活を変え、エキサイティングな社会を作り出すと信じている」と強調した。これまでは人が機械のように働いてきたが、AIの普及により「機械が人のように働く時代がくる」と指摘した。
(中略)
馬氏は「AIの活用により週3日、3時間働けば忙しいという時代がくる。次の200年はサービス産業がたくさんの雇用を生み出す」と指摘し、AIは人間の脅威ではなく未来をより良くする存在だと強調した。
(以下略)
出典元:日本経済新聞より
将来はAIを活用することで20~30年後のサラリーマンの労働時間は週3日で3時間程度になり、それだけで十分に回していける世の中になっているだろうという予想に、私は良くも悪くも衝撃を受けてしまいました。
もし本当にこんな短い労働時間で済んでしまう世の中が来てしまった場合、お給料やサラリーマンの生活はどのように変化していくのでしょうか?
ここで私なりの2通りの解釈を考えてみました。
労働時間が減ることに対する2つの解釈
2つの解釈とは、将来のサラリーマンの給与が劇的に上昇するという場合と現在とほとんど変わらないという場合です。
まず給与が劇的に上昇するという場合です。
今まで人間がしてきた仕事の多くはAIで置き換えができるようになるということは、人間の労働力はもっと少なくて済みます。
そして人間よりもAIを活用したほうが生産性が飛躍的に向上するでしょうから、結果的に人間に支払われる単位時間あたりの給与が大幅に上昇し、週3日で1日3時間程度労働すれば、十分生活できるだけの給与がサラリーマンに与えられるという解釈です。
週3日、1日に3時間ということは、1週間9時間労働ということですから、現代の我々の感覚で言えば、1週間に1日フルタイムにプラスして1時間残業する程度の労働で、生活できるくらいのお給料をもらえるということになりますので、きっと多くの社畜達は早くAI時代が到来しないかと首を長くして待っているでしょう。
その前に会社をクビにならない保障はどこにもありませんけど。笑
もし本当にこれだけの労働で生活できるだけのお金を手に入れることができたら、早くリタイアしたいという概念すら淘汰されてしまうかもしれません。
毎日がセミリタイアですからね!
もう一方は給与が現在とほとんど変わらないという場合です。
AIの活用により人間の労働力を減らすことができたのに生産性は劇的に向上するというのは、経営者や投資家にとっては大変喜ばしいことであります。
そしてその分の利益をサラリーマンである労働者へ分配する必要は全く無いということです。
いくら会社の利益が増えても、それをそっくりそのまま労働者へ還元したがる経営者や投資家はほとんどいないでしょう。
労働者も労働契約によって会社の社規に従うことを誓約しているはずですので、労働時間を減らしてもらったのに単位時間あたりの給与を上昇させろなんて希望すること自体がお門違いなのです。
そうなると必然的に1つの会社で労働するだけでは生活していくだけのお金を稼ぐことができないということですから、副業をするなどして足りないお金を稼ぐ必要が発生します。
そのように社会が変化していくのなら、さまざまな形態の働き方が増えていくことでしょう。
その変化していく中で、現在はまだ無いような新しい新しい仕事も誕生し、雇用が創出されていくことでしょう。
どのような未来がやって来るのか
20~30年後、果たしてどういう世の中に変化していくのでしょうか。
間違いなく人間の単純労働はAIの活用により置き換えられていくでしょうが、今を生きる我々が考えるべきことはそういう世の中へどうやって順応していくかということです。
そりゃ誰もが、労働時間が減って単位時間当たりの給与が上昇することを望むことでしょう。
しかし勝手にそう思い込んで、いざ蓋を開けてみたら、労働時間は減らされたのに給与が上昇せず生活が苦しくてしょうがないという可能性もあるわけなのです。
つまり時代は変化したのに、自分は何も変化しようとせず現状維持を選択してしまったために、社会に順応できずにお金に困ってしまうということが十分考えられるのです。
そして順応しないことを選択したのは他でもない自分であり完全に自己責任なのに、社会が悪い世の中が悪いと他責にしたがる人も出てくるでしょう。
しかしそんな不平不満を言っても何の解決策にはなりません。
どのように時代や世の中が変化してもそれに順応できるような、柔軟な対応力を身に付け、備えあれば憂い無しの精神を心に刻み、1日1日を大切に過ごしていく必要があるのではないでしょうか。
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