創業者一族経営の会社は株主還元に積極的なのか
四季報や有価証券報告書で上場企業の分析をしていると、小さい規模の会社だと創業者一族が経営しているような会社を見つけることがしばしばあります。
会社名と大株主の名字が同じだったり、大株主が同じ名字ばかりの人が多かったりすることが多いので、創業者一族経営かどうかは簡単に推測することが可能です。
創業家ですので会社に自分の対しての愛着は大きいと思いますが、残念なことに会社が稼いだ最終的な利益である純利益は経営者のものではなくすべて株主のものになってしまいます。
せっかく汗水垂らして稼いだ純利益を、資本を提供しているだけで何も働いていない株主のお金になってしまうのですから、経営者からしてみれば面白くないでしょう。
何とか純利益を自分たちのお金にしたいと思うのが経営者の本音ではないでしょうか。
ただ創業者一族経営の会社の場合、一族らはその会社の経営者であると同時に大株主であることも多いため、純利益を配当金という形で利益処分させれば、結果的に純利益の一部を株式保有数に応じ自分の私的なお財布へ入れてしまうことが可能になります。
もし配当金を増やせば、その分だけ創業者一族の私的なお財布へ入るお金も増えることになります。
そう考えると、創業者一族経営の会社は株主還元に積極的な会社が多いのではないかと推測します。
創業者一族と個人投資家との相性を考えてみる
株主還元に積極的な会社は個人投資家にとっても歓迎すべきことです。
創業者一族経営の会社は株主還元に積極的ではないかと推測できますが、サラリーマン経営者の会社は果たしてどうでしょうか。
それに対してサラリーマン経営者が経営している会社は、自分たちが創業した会社ではなく入社試験をパスして就職した会社ですから、サラリーマン経営者が大株主であるということは通常はありません。
サラリーマン経営者が保有している株式数は数千株や数万株程度ということが多いです。
そういう会社だと、自分たちが汗水垂らして稼いだお金を、何も働いていない株主へ配当されてしまうというのは、正直面白くないと考えるのが自然ではないでしょうか。
だからサラリーマン経営の会社では、いくら株主還元しても自分たちのお財布へ入ってくるお金なんてごくわずかですから、自分が潤うことがないのにわざわざ株主還元をしたいと思わないのが本音だと推測します。
そういう意味では、サラリーマン経営者の会社よりも創業者一族経営の会社のほうが、我々個人投資家と利害が一致している可能性が高いと言えます。
もちろん創業者一族経営の会社という理由だけで投資対象を決めるというのは早計ですが、財務諸表だけを眺めているだけではこういったことに気づくことはできないでしょう。
このような異なる視点をたくさん持っていると、あらゆる角度で物事を見ることができるので、多くの人が気づく前のダイヤの原石のような会社を見つけることができるようになるかもしれませんね。
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